 桐生の伊藤丈晃ヴァイオリン工房にあずけていたヴァイオリンを取りにいった。
初めての発表会を控えて、ヴァイオリンを調整に出していたのである。
行くのは2度目なので場所は迷わなかったが、入り口の狭さには今回も不安を感じた。
駐車スペースがあいていてほっとする。
白い犬と黒い犬がほえて歓迎してくれる。
犬たちは、しばらくなき続けるとだまってしまう。
順応しやすい犬である。
無鄰館の建物に入る。
由緒ある建物である。
大正時代の建築がなつかしい。
子供のころの木造の小学校を思い出す。
工房は無鄰館一番奥のF室にある。
今日は、コントラバスが2台、床に寝ていた。
伊藤さんが調整されたぼくのヴァイオリンを見せてくれた。
伊藤さんが弦をはじくと、以前とは響きがちがうことがわかった。
響きが豊かになっている。響きに輪郭があるのだ。
「ヴァイオリンの箱のサイズがかんじられるようになりました」
とのことである。
たしかに、響きが違う。
伊藤さんが弓を持って弾いて見せてくれた。
すごくよくなっていることがわかる。
立派なヴァイオリンに変身している。
これなら、ヴァイオリンと呼んでもいい感じがする。
いよいよ、自分で持ってみる。
重さが軽くなっている。
重さのバランスも変わっている。
とても軽く感じるし、重心の位置が移動している。
ちょっとボウイングをしてみた。
伊藤さんが弾くような力強い音ではなく、へなへなした音だが、以前音がザラザラしていた感じがない。なめらかである。
以前は、鼻が詰まったような音に感じられるときもあったが、花粉症がすっきりしたような印象の音である。
以前は単なる長い音をボウイングしても、ピーとかギーとかいっていたのに、ノイズが少ない。
弓の最初のほう、弾き始めもスムーズ。
弓の終わりのほうでもかすれずに、なめらかに音が伸びる。
3年やっているとはいえ、下手なので、人前では音楽は弾けない。
ぼくは、はやく家で弾いてみたくなった。
家に帰って弾いてみる。
今やっている、『川の流れのように』を弾いてみる。
うーん、すばらしい。
演奏はともかく、ヴァイオリンがすばらしい・・・
すばらしくよくなっている。
なにせ下手なので、決定的にまずい弾き方の部分はなさけないノイズが出るが、うまく弾けた部分は、明らかに以前よりきれいに聞こえる。
うまく弾けたように聞こえる部分の割合が、以前より増えている感じもする。
不満だった、サビの高音を伸ばす部分もきれいに響く。
これ、マジやばい。
期待以上の変化とういうか、進化である。
こうして生まれ変わったマイバイオリンであるが、次に要求されるのは、当然、自分の技術だろう。
技術しだいでは、今回の調整も生かせないかもしれないのだろう。
音の改善に甘えてはいけない(のかな?)
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